じゃあ、よろしくお願いします
KYO
じゃあ、よろしくお願いします
全員
よろしくお願いします。
KYO
では、まず最初に何故この三人なのか、ということを。
まあ、こっちで勝手に選ばせて頂いたんですけど。
Peachboysはとにかくいっぱいネタがあるんですが、三原さんは、それを全部拾った上で掘り込んで解釈してくれる。ある意味、一番良く見てくれているお客さんかな、と。
三原
そうですね、ハイ。
KYO
岡見さんは、Peachboysを伝統芸だと。歌舞伎のようなものであると。
そういう風に言ってくれている、高く評価してくれている。
岡見
うん。
KYO
で、谷仲さんは、Peachboysが日本で一番面白い劇団だと豪語してやまないので。
谷仲
言ってるね。
KYO
この三人がすごくPeachboysのことを、ある意味メンバーよりもよくわかっている、
愛してくれている三人なのかなと思って呼ばせて頂きました。
三原
正直この座談会が決まって、Peachboysについて毎日考えていたからね。
一同
(笑)
岡見
考えるよね。
三原
考えますよ!そら考えますよ!Peachboysってそもそも、団体の名前が良いよなって。
GO
そこからすか。
三原
そうだよ!
だってさ、凄くない?Peachboysって。
もうさ、やってることが毎回、童貞がどうのこうのって同じなわけじゃないですか。ね?
で、絶対童貞を捨てないことはこっちは分かってるワケ。
あとあの、昔ビーチボーイズってドラマがあって、まあオープニングでも(曲が)使われますけど、
あの曲がかかって、凄いノスタルジーに浸る中、暗転していき始まっていくあの感じがね、第一回であーもう完成したなって思ったの。
谷仲
三原くんは正座だからね。
三原
いや正装してこようと思ったもん。
一同
(笑)
三原
あと、チラシね。凄く良いフライヤーで。最初の公演の時のやつ、三人の顔のイラスト。※①
※①
Peachboys旗揚げ公演『モテナイ』のフライヤー。公演アーカイブ参照
KYO
泣いているやつ。
三原
あれがセンセーショナルでさ。すげー良いフライヤーだな、と思って。
白坂
あれ、裏話的に言うと、ペラペラでいきましょうって言って、藁半紙みたいなのになったんだよ。
三原
そうだ、紙質がそう。
白坂
裏が透けてんだよ。
三原
でも、そんなチラシないから。すごく目立ってた。チラシ界隈で。
で、『モテナイ』って泣いてる男三人だから話も想像できるし、質感も違うからすぐ手に取りやすいし、完璧だなー!って。
岡見
(笑)
三原
パッケージが完璧だなって思って。
でも観に行ったら観に行ったで、そのPeachboysの原案というか、元ネタはぺこペンでやった短編の一本※②だから、
※②
Peachboysは、はらぺこペンギン!第14回公演『再会』で上演された3本の短編の内の一つが元になっている。そこでやった童貞の話が好評だったので、一回ちゃんとした公演を打ってみようか、って始まったのがPeachboys。
何となくこういう流れになっているのは分かっているんだよ。
でも、全く同じネタをそこで使うっていうこともそこで初めて知ったし、
それがこんなに面白いんだなって思ったし、
いやあ~たまんないよね。
一同
(笑)
KYO
集約すると。
三原
たまんないよね!(二回目)
谷仲
そのチラシが劇団チョコレートケーキ※③の当日パンフのチラシ束の中に入るっていうね。
※③
社会的な事象をモチーフにした硬派な作品を生み続けている劇団。受賞歴も凄い。要はPeachboysと真逆の作風。GOこと菊池豪は劇団チョコレートケーキの常連出演者。
テロでしかないよね。真逆の世界だからね。
KYO
けっこう役者を逆輸入みたいなことをしてますけどね。
谷仲
菊池豪のせいだね。
三原
俺ね、毎日Peachboysのことを考えてたんだけど、
トークテーマとして、菊池豪について、っていうのを考えてきたんだけど、これ時間があったらぜひ。
KYO
いや、それは…次回にしてもらって良いですか?(長くなるから)(笑)
三原
いや、Peachboysは菊池豪を見にくる公演だと言っても別に構わない。
見所いっぱいあるんだよ。いっぱいあるんだけど、
豪くんのホントどうでもいい演技スキルの高さを味わいに来て欲しい。
菊池
それは…次回に(長くなるから)。
谷仲
一太くんと俺が違うのは、俺はいつか(童貞を)捨てるんじゃないかって思って観てる。
一同
ほほ~
谷仲
毎回、クリアしちゃうんじゃないかって。そこをね、危うい気持ちでいつも観てる。
KYO
ハラハラしながら。
岡見
それある種、太陽に吠えろ的な。殉職して人が入れ替わる、みたいな。
童貞を捨てて、次の人に入れ替わるんじゃないかっていう。
谷仲
そのスタンスにPeachboysがいくと、収集つかなくなるから。歴代BOYSが沢山出てきてしまうっていう。
三原
でも、それこそ、ハヤオがね、こいつ結構イケるんじゃないかっていう。ハヤオは割と女の子とイケそうな空気が出るんだよ。
谷仲
ハヤオは一番寸止めの位置にいる。
三原
ハヤオは物理的に不可能みたいなことで最近オチがついているだけで、なんか気持ち的にはイケてる。割とゴール出来る感じが。
岡見
ちゃんとした日常の中にいるのであれば、出来ている。
三原
そうそう、彼が化け物になってしまったりすることで出来ない※④、っていうだけで。
※④
KYOKYO演じるハヤオは何故か毎回、化け物になります。
谷仲
どちらかっというと、努力あんまりないもんね。
三原
ハヤオはただモテてるんですよ!
谷仲
なにげに、毎回そういう人が、常に隣にいるんだよ。
三原
もはや、童貞の中のパターンとして、いるんだよ、本人がモテるんだけど、何となく本人が押し倒せないから童貞ってやつ。
岡見
(村上)春樹になれなかった。
三原
そうそう春樹になれなかったタイプ。
谷仲
しかも童貞捨てたい捨てたいって上の二人は言うけど、一番下のハヤオは言わないんだよ。
三原
そう、三人目がハヤオになってから※⑤捨てたい捨てたいって言わないキャラになって。
※⑤
最初、PeachboysはGO、KYOSUKE、TAKUの3人でした。『リーガルハイハイ』からKYOKYOが加わり、今の形になりました。
最初三人は童貞捨てたいって言ってるキャラだったんだけど。
谷仲
そうそう。
三原
童貞についてどう思ってるの?
KYO
まあ、おっしゃる通り、押し倒せない、押し倒す気がないタイプの童貞なんだと思ってますね。
三原
現代の草食系男子的な?
岡見
引っ込み童貞?
三原
なるほどね。
GO
すげえ。正直そこまで考えてなかった。
三原
いや僕らはPeachboys観てると無限に広がるから。思考が。
谷仲
Peachboysはね、天使派なんだよ。
KYO
天使派?
谷仲
いや、わかんないけど。
白坂
わかんないんかい!!
谷仲
なんだろう、欲にそんなにまみれてないんだよね。
岡見
結局さ、高校生を主体とした話が今アニメとかになってるけど、
あれってちょうど人間が一つ何か大きく気付いて変化していくっていうところのもので、童貞もそのラインじゃないかなっていう。
谷仲
そうそうそう。
岡見
変わるかもしれない、っていう。
で、童貞としてのものは変わらないんだけど、何か別のものが変わったってのが毎回あるから、
観てる方も毎回すごく気持ち良い感じになって帰れるっていう。
谷仲
だから、(観た人は)人が出来得ない経験を全員経て、(Peachboysは)ある種童貞に価値のあることを毎回やっているっていう。
まあでも、、やっぱり童貞はナンバーワンなんだなっていう。(笑)
三原
童貞であることの意味みたいなものを考えますよね。
岡見
ある種、なんだろうね。ピューリタニズムじゃないけど。
GO
難しい言葉が出てきた。
三原
だからその、岡見さんが言ってたPeachboysは伝統芸だっていう話、ちょっとね、考えさせられるんですよ。
こんなに中身もないし、、
もう俺、言うわ。
Peachboysのこと好きだけど、こんなに無駄な2500円払ってる日ねえなって思う。
なんて無駄なお金を払ってるんだろうって、毎回思うんだけど、毎回凄い楽しんで帰るから。
谷仲
全く無駄じゃないもんね。最終的には。
三原
そうそうそうそう。